背景
Anaplasticlymphomakinase(ALK)融合遺伝子陽性肺癌に対する分子標的薬の選択肢は少ない. クリゾチニブはALK 融合遺伝子陽性肺癌に対して高い有効性を示す.今回,クリゾチニブの減感作療法をすることで副作用が再燃することなく治療継続できた症例を経験した.
症例.
63 歳の肺腺癌術後再発の患者に対して,echinoderm microtubule-associated protein-like4(EML4)-ALK融合遺伝子が陽性であったため,クリゾチニブ250mg×2回/日による治療を開始した. 投与13日目に38.3°Cの発熱・薬疹・肝機能障害を認め,クリゾチニブを休薬した. 症状改善後にクリゾチニブの減感作 療法を行ったところ,副作用の再燃を防ぐことができた. また,減感作療法中に抗腫瘍効果も認めた.
結論.
クリゾチニブによる副作用出現の際には,減感作療法も治療選択肢の 1 つになり得る.