[背景]
Mycobacterium avium complex(MAC)症の治療は長期に抗菌薬を使用するため、一般細菌叢へ影響を及ぼす可能性が高い。
[目的]
MAC症の治療が行われた患者から薬剤耐性菌が新たに検出された割合を明らかにする。
[方法]
2009年1月〜2023年11月に自施設でMAC症に対し180日以上治療した患者を対象とし、治療開始前後の喀痰の一般細菌培養検査結果を後方視的に収集し、耐性菌検出の有無を確認した。
[結果]
MAC症の治療が行われた183例のうち、解析対象患者は47例であった。新たに耐性菌が検出された患者は11例(23.4%)で、P. aeruginosaの6例(6/11, 54.5%)が最も多かった。
[結論]
2割から新たに耐性菌が検出されたため、MAC症治療中の患者でも定期的に喀痰の一般細菌培養検査を行うことが、肺炎を発症した際の初期抗菌薬の選択に役立つと考えられる。